『マイナス金利導入 常識を疑え 本質は何だろう』
さて、金融工学についてしっかりとした勉強をしていないのですが、マイナス金利について考えてみました。
さあ、いよいよマイナス金利導入。
2016年1月29日の金融政策決定会合で民間銀行が日本銀行に預け入れているお金の一部にマイナス金利を適用する決定をしました。
直接私たちに関係してくるものは預金金利やローン金利ですが、預金金利を決定しているものは何なのだろう。
日本銀行が決定していた預金金利ですが、その規制も1994年には完全自由化されていて、現在、普通預金をはじめとする流動性預金は、政策金利であるコールレート(金融機関同士のお金の貸し借りにかかる金利・無担保コールレート翌日物)を参考にして決められます。
政策金利が変更になると、民間銀行の資金調達金利に影響が出るため貸出金利や預貯金金利にも影響を与えます。
金利にも名目金利や実質金利があるのですが、私たちが日ごろよく目にする名目金利がマイナスになることはないと言われていますが、限りなく0%に近くなることでしょう。
金利について2つの視点で考えてみました。
まず1つ目に、金融取引であるお金の貸し借りに金利(利息)が必要な理由とは、リスクを負う、流動性に制限がかかる(消費を制限して貯蓄へ回す)報酬だと言われています(基本的に金融機関に預入れられた資産は、元本の保証と支払利息を確保する必要があるため金融機関の負債であると考えられる)。
2つ目に、お金をそもそもモノ(実際、私たちが日頃お金と言っているモノは日本銀行券であり、額面の金額を保証するモノ)と考えた場合、預けたモノが収益を生まないものであれば、預入者に制限がかかろうが預受者は保管手数料を取らないと損失になる(貸出先が不在の場合)。
常識的な人であれば前者の考えがしっくりくると思いますが、コインロッカーなど考えれば後者の考えがしっくりくる。
経済的な防衛も知らなかったでは済まない時代になってきているようです。
私は後者の方がしっくりくるのですが、皆さんはどう思われますか。
インフレ率が上がらないのであれば実質金利もマイナスになることはないのでいいのですが。
※実質金利=名目金利―インフレ率 フィッシャー方程式
「流動性の罠」(経済学者ジョン・ヒックス)に陥ったら金融政策が景気刺激策にはならないと言われていますが、まさか、マイナスにするとは・・・・
最近、こういった思考になることに自分自身に冷たさを感じます。