『本を読む人だけが手にするもの』 ~藤原和博著~
ISBN978-4-534-05317-6
日本実業出版社
今まで漠然と頭の片隅に浮いていたものが、整理された感覚を覚えました。
高度情報化社会が叫ばれはじめ、どれくらいの時間が流れただろう。
情報を収集する方法の一つにITを活用するようになった現在、中にはITのみを活用されている人もいるだろう。
それでいいのか。
高度情報化社会とは、情報を蓄積し公開する技術が高度化したものと理解されている人が多いが、あなたはどう思いますか。
私は、ITに限らずあらゆる方法で収集された情報の正確さや真偽、世間一般の統一見解、正解とみなされている仮説などなど、選別する能力に高度さを求めている社会と理解しています。
ITや本どんな媒体からであれ、自頭で考える能力がなければ、手に入れた情報を知識や知恵に昇華させることはできません。
論点を見つけ出し、仮説を立てる。
論点や仮説が見当外れではないか。
本だけが正しいのではなく、ITだけが利便性が高いという先入観はこの先、混乱を招く考えになるのではないだろうか。
SNSが発達し、みんなが繋がった気になった社会に異を唱える人もいます。
この「気になった」とはどういうことか。
そこには、生産され消費される膨大な情報にどうでもいいものと重要なものが入り交ざっている混乱から来ているものと考えられる。
または、「本を読まない奴はダメだ」等もよく耳にするがいかがなものか。
本を読まなくても、幸福だと思う道を歩んでいる方もたくさんいる。
どちらが優れているかのではなく、どちらの道がより自分に合っているのか。
孤独から逃れるため繋がっていたいモノや統一した目的のため繋がったモノ、必要になったモノをどんな媒体から入手するか、どれが自分のライフプランにあったモノなのかを一度考え直してみてはどうだろう。