『愛するということ』 ~エーリッヒ・フロム著~
鈴木晶/訳
ISBN978-4-314-00558-6
紀伊國屋書店
この本を手に取った理由
「愛する」と「好き」の違いを知りたかったという、ごく幼稚な考えからでした。
「愛する」というのは、動詞であり能動的なもので、「好き」というのは、湧き出る感情という理解をしていました。
本書の中で、愛の能動的な基本的要素として、「配慮・責任・尊重・知」があり、それぞれこう説明し、発展させていきます。
本文引用(要約)
配慮とは、愛する者の生命と成長を積極的に気にかけることである。
責任とは、他の人間が、表に出すにせよ出さないにせよ、何かを求めてきたときの、私の対応である。
尊重とは、人間のありのままの姿をみて、その人が唯一無二の存在であることを知る能力のことである。
知とは、愛の一側面としての知は、表面的なものではなく、核心にまで届くものである。
この説明を受けて、ぼんやりとではあるが「愛が技術である」のが見えてきました。
読んでいて、フロイト批判が随所にみられるが、私はフロイトに造詣があるわけではないので、そのことはわかりません。
最後に、本書で一番面白いと思った一節があったので紹介したい。
本文引用
「人間が自分で意味を与えないかぎり、人生には意味がない」
フロムの言葉なんですね。初めて知りました。
すごく、とてもすごく重い言葉です。
心理学に興味がある方ならとても興味深い一冊であると思います。