『「学力」の経済学』
~中室牧子著~
ISBN978-4-7993-1685-6
株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン
メディアデで活躍されている教育評論家や子育ての専門家の見解は正しいのか。
本屋さんに並ぶ、多くの成功体験記もしかり。
果たして、わが子にも効果があるのか。
中室牧子氏は本書で、子育てや教育者の経験のみでの見解には注意が必要を語る。
その教育方法に科学的根拠はあるのかと。
最近起こる社会現象についてコメントされる専門家・コメンテーター・キャスターは、(ほんの稀にだが)どうも木を見て森を見ていないのではないかと、その専門の勉強をしていない私でさえ思うことがある。
言論の自由があるといえども、少なくとも社会的地位のある方の公共での発言には注意してもらいたいものである。
さて、本書のエッセンシャルを書いておきます(お気に入りの部分)。
お手軽なものに効果はない(親にとって)(P60)
どんな親であるかも重要(鳶は、そう簡単には鷹を生まない)
認知能力と非認知能力の双方が、後の人格的、経済的成功の基礎となる(P77)
EQも大切ですね。
平等と自由の解釈を真剣に考えよう(P133)
最後の平等と自由については、こっちが立てばあちら立たずのトレードオフ(利益が相反する)の関係であるし、平等と自由それぞれ個々の中にもトレードオフが存在することを理解しておく必要がある。
どちら(どんな平等・どんな自由)を選ぶかは、どんな時代に生まれたかにより変わるのだろうが。
といったことを統計学を駆使し、教育学と経済学を紐帯されています。