『楽器と武器だけが人を殺すことができる』
~宇野常寛著~
ISBN978-4-067323-3
株式会社KADOKAWA
少し、まどろっこしい感覚がつきまとい、それは読了するまで払拭することはなかった。
「風立ちぬ」や「海街Diary」そして「頭文字D」は、見たり読んだりしていたので読んでいてちょっとイラっとしてしまった。
とにかく、難しい言葉が行進している。
娯楽の楽しみ方が著者と私で異なるのだから致し方ないのだが、どちらかと言うと私は、娯楽には快楽物質(正確には喜怒哀楽すべての感情を訴えるもの)を優先してしまう。
「頭文字D」(P187)について、少しだけ語らせて下さい。
車社会のあり方や異性間とのつながりに関して言及されているが、峠の走り屋に始まり草レース(ダートトライアルの地方公式戦)を経験している私に限って言えば事は単純で、ただただ「速くなりたかった」その延長線上にプロの職業レーサーという選択肢が可能なのかと言うぐらいの感覚しか持ち合わせていなかった。
結果的に、プロドライバーになる器がなかったのだが、そんなレベルでも時速100キロを超えるスピードで真横を向けて走る(自身の制御可能範囲の基で)という常識的な運転をする人では味わえない経験を出来たことは、今考えても私の大切な宝物となっている。
すべてに事象・事柄おいて、すべての事を内包することは不可能な事だろうし、やっている本人の意識・無意識にかかわらず影響を及ぼす範囲には限界があるという事だ。
それに挑戦するという事だろうか。